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ファーストリテイリング(9983)分析

ユニクロで有名なファーストリテイリング(9983)の企業分析を行いました。ファストファッションとしての戦略として、グローバルに高機能な商品を展開していること、また経営やサプライチェーンにおける最適化に積極的に取り組んでいて、しっかりした基盤を作った上で海外売り上げが伸びていることなどから、今後も伸びることが期待されます。

会社概要

銘柄コード: 9983
HP: http://www.fastretailing.com/jp/
業種: 小売業
代表者名: 柳井 正
設立年度: 1963年5月1日
時価総額: 4,346,898百万円
市場: 東証1部
従業員数(単独): 1,166人
従業員数(連結): 44,424人
特色: 世界3位のSPA大手。「ユニクロ」を世界展開。急成長「ジーユー」が第2の柱。M&A虎視眈々

引用元: yahoo finance

事業内容

事業内容は、ユニクロ(国内、国外)がメインではあるが、そのほかにもグローバルブランドなどの事業も行なっています。

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引用元: annual report 2017年8月期

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引用元: annual report 2017年8月期

国内ユニクロ

国内ユニクロ事業は効率性を重視しています。

  • 個人経営の推進
  • Eコマースと融合した新しい店舗

上期は売上規模の大きい12月に気温が高かった影響により、同0.1%増にとどまりましたが、下期はワイヤレスブラ、感動パンツ、イージーアンクルパンツ、UTなどの話題性のある商品の販売が好調だったことにより、同2.4%増となりました

Eコマースの販売は通期で15.6%増となり、売上構成比は6.0%へ上昇しました。収益面では、売上総利益率の改善が0.3ポイントにとどまった一方で、売上販管費比率が1.3ポイント上昇したことにより営業利益は減益となりました。

販売費及び一般管理費については、広告宣伝費等の経費削減対策を進めたものの、人件費や物流改革に伴う一時的な物流費の増加がありました。
引用元: annual report 2017年8月期

話題性のある商品が好調であり、広告宣伝費も抑えることに成功しているが、人件費や物流改革に伴う物流費の増加がコスト営業利益を押し下げたとしてます。

人件費の増加は、最低賃金の上昇などのマクロ要因であるため、避けられない部分ではありますが、ファストファッションなど低価格のビジネスモデルでは厳しい経営を迫られることでしょう。(サイゼリアは2018年4月11日の決算が悪かったことがあり売り込まれました。)なおユニクロはファストファッションといえども、超低価格帯ではないため、後述するしまむらなどが顕著でしょう。

決算の内容から、物流改革について投資していることが伺えますが、物流の最適化や需要予測の精度改善生産リードタイムの短縮などAIなどの先端技術の導入を試みているようです。

海外ユニクロ

2018年8月期は、海外ユニクロ事業の売上収益が初めて国内ユニクロ事業を超える見込み。
人口が多いグレーターチャイナ、東南アジアで確固たるブランドポジションを確立することを目標としています。

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営業利益がほぼ倍増しています。高い成長率で海外進出および最適化が行えているようです。これは短期的な要因ではないため、しばらく続く長期的なトレンドであることが期待されます。

各エリアで値引きを抑えた商売に転換したことで、売上総利益率が大幅に改善したこと、経費削減の効果がみられたことに加え、米国の赤字が半減したことによります
引用元: 有価証券報告書 2017年8月期末

グローバルブランド事業

グローバルブランド事業には、

  • GU
  • Theory
  • コンテワー・デ・コトニエ

などがあります。

ジーユー(GU)は増収増益で、GUは低価格ブランドとして押し出しています。

デザインブラウスやビッグシルエットトップス、デザインボトムス、パジャマ、シューズなど好調な商品に
欠品による機会ロスが生じた一方で、想定したほどのヒットにならなかった商品もあったため、既存店売上高は通期で3%の減収となりました。
引用元: 有価証券報告書 2017年8月期末

やはり需要予測に関しては在庫の問題などもあり大きな課題を抱えているようです。

セオリー事業も大幅な増収増益。Theoryは比較的ハイブランド志向の強いブランドであり、ユニクロの事業戦略と違うベクトルを向いているように思えますが、だからこそユニクロブランドではなくグローバルブランドとして別事業としての整理がなされているのでしょう。

財務分析 with 競合分析

ユニクロが目指しているLifeWearのコンセプトは、「着心地が本当によく,高品質でファッション性があり,誰にでも手がとどくお手頃な価格の究極の普段着」です。ファッションにはハイブランド志向のものなども多くある中、ユニクロは高機能・高品質な普段着を追求しています。

売上推移比較は以下の通りです。

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引用元: H&Mの売上が500億円規模に。ファストファッションが奪った市場とは?

ファーストリテイリングは世界第3位の売上。ZARAとH&Mが綺麗な成長曲線を描いています。

比較において、売上高の推移も重要ですが、ファストファッションの中でも素材などの方向性が異なることから、売上原価や営業利益率*を比較すると、ファストファッション界の住み分けが見えてきます。

営業利益率は国内ユニクロ事業の影響もあり下がっています.売上原価は売上収益1,861,917百万円に対して、952,667百万円と51% を占めており、一般管理費は725,215百万円、売上総利益909,249百万円に対して80% です。

ZARA(Inditex)

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引用元: stockclip

営業利益率が他社の2倍近くある.売上原価率は40%強であり,少し高めの値段設定が理由であると思われる.

ファストファッションにしては、価格帯が比較的高めの「ZARA」。無印良品よりもさらに一回り高く、そうした戦略が営業利益率の高さを支えているようです。

H&M

H&Mはスウェーデンのアパレルメーカーであり(財務諸表などSEK=12.8190476 円であることに注意),2017年売上高は200,004 m SEK(約2.5兆円)、営業利益は20569 m SEK(約2500億円)であり,営業利益率は10.3% ほどです。

売上原価率は38%ほどで,ファストファッションの中では圧倒的に低いことがわかります。

外資系のデザイン性が高い服が多い一方で、反面品質はあまり良くないという声が多いようです。
ユニクロが普段着といったイメージなら、こちらはより流行に合わせた賞味期限の短い服というイメージ。

しまむら

営業利益率が他社と比べてやや低いが,売上原価率が70%弱と非常に高く、むしろそれを考えれば売上総利益に対する営業利益はかなり高いです。

郊外にある店舗が多く、安いため主婦層に人気があります。日本のファストファッションのなかではユニクロに次いで2位となっており、ターゲットを明確にしているのが売上アップに繋がったのではないでしょうか。
引用元: [安い服を攻略しろ!ファストファッションブランド8つを比較してランキングしてみた【メンズ編】]

GAP

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引用元: stockclip

売上原価率が60%ほどで高く,その分営業利益率は低めです。(それでも売上高の成長も少なく、成長曲線が描けていないようにも見えます)

値段が高いが、頻繁に40%セールなどをやっている。そのためプロパーでは買う気にならないブランド。
引用元: [安い服を攻略しろ!ファストファッションブランド8つを比較してランキングしてみた【メンズ編】]

確かに、セールを行いすぎるのはブランド的によくないのかもしれないですね。

事業戦略

「情報」製造小売業へ

「情報製造小売業」として世界No.1のアパレル小売企業となることを中期ビジョンに掲げ、
中でも海外ユニクロ事業、ジーユー事業の拡大に注力しています。各国において、ユニクロの出店を継続すると同時に、世界主要都市にグローバル旗艦店、大型店を出店し、ユニクロブランドのグローバル化を図っています。海外ユニクロ事業では、特に東南アジアは、グレーターチャイナ、韓国に次ぐ事業の柱として成長ステージに突入しています。また、ジーユー事業は、国内市場の出店に加え、中国大陸・香港・台湾を中心とした海外市場での事業の拡大も図っていきます。当社グループは、2017年2月に、有明オフィス(UNIQLO CITY TOKYO)を稼動させ、新しい働き方の改革を進めて、企画からデザイン、素材調達、生産、物流、販売までのサプライチェーンを変革し、「情報製造小売業」へ業態を転換させていきます。なお、Eコマース事業では2017年3月にスマートフォンサイトの刷新と同時に、特別サイズやオンライン限定商品、セミオーダー商品などの圧倒的な品揃え、コンビニエンスストアや店舗での受け取りなど、商品やサービスを充実させることで、さらなる事業拡大をめざしています。

参考

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