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【インフォテリア(3853)】買収コストで減益も、当期利益は通期計画の60%の進捗!インフォテリアの事業戦略

インフォテリア(3853)の分析です。データ連携用ソフトウェア「ASTERIA」などを中心に企業向けのミドルウェアを提供しています。2015年からテックビューロと事業提携をしており、ブロックチェーン技術の実証実験やコンサルティングサービスを開始しています。

今回はインフォテリアの事業内容について見ていきたいと思います。
インフォテリアは企業向けのミドルウェア提供を基幹事業として成長してきた企業ですが、最近ではブロックチェーン領域への参入が注目されています。

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ご覧のように9日の決算発表のタイミングからtwitterでも話題になっています。その要因をさぐってみます。

1. 会社概要

まずは、ざっくりと会社の概要だけさらっておきます。

銘柄コード: 3853
HP: https://www.infoteria.com/jp/
業種: 情報・通信
代表者名: 平野 洋一郎
設立年度: 1998年9月1日
時価総額: 229億円
市場: 東証1部
従業員数(単独): 74人

従業員数(連結): 118人
特色: ソフトサービス会社。データ連携用「アステリア」、データ管理用「ハンドブック」はシェア首位

引用元:YAHOO! ファイナンス

2. 財務分析

2018年4月から6月期の売上はYoY+4.3%の7.9億円、営業利益は同-70.3%の4400万円でした。

2018年度3月期から急激に売上を大きく伸ばしていますが、これは既存のミドルウェア事業の強化を目的とした英デザイン戦略コンサルティングのThis Place社の買収によるものです。今回の決算で売上が好調だったのは、こちらのデザインサービスの伸長があるようです。

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引用元:決算説明会資料

売上は上場来、過去最高をマークしています。営業利益は減益となっていますが、これについてはThis Place社のアーンアウト(買収に伴う成果報酬型買収対価)を原価計上しているためのようです。

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引用元:決算説明会資料

注目すべきは第1四半期の時点で、税引前利益が通期計画の約44%、当期利益が約60%を達成していることです。当期利益等については為替差益による押し上げとのことですが、株式市場はこの進捗率を好感しているようですね。

2. 事業内容

ではインフォテリアの各事業について詳細を見ていきたいと思います。特にブロックチェーン領域でどういった事業展開を考えているのかは気になりますね。

2.1 基幹事業

インフォテリアの事業は、企業向けにソフトウェア製品を開発してその使用許諾権を販売するライセンス事業、同製品の導入先に対してサポートを提供するサポート事業、顧客企業のブランディング戦略のコンサルティングを行うサービス事業があります。
2018/03期 3Qの決算発表では、This Place社の買収に伴いサービス事業が大きく拡大したことが発表されました。

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引用元:2018年3月期第3四半期決算説明会資料

2.1.1 ライセンス

  • 企業のニーズに対応する汎用的なソフトウェア製品を企画・設計・開発し、その使用許諾権(ライセンス)を販売
  • 季節変動や企業のIT投資の影響を受けやすく売上が安定しない
  • 主力製品

    • ASTERIA
      • XML技術を基盤とした企業向けデータ連携用ミドルウェア製品 a76ac359d272a0991ff4efd1325e0274.png 8fd9826d8a2b49a8ebcd168facfe963b.png 引用元:ASTERIA WARP
    • Handbook
      • 組織で発生する多種多様な情報を、スマートデバイスでセキュアに制作・登録・配信・共有できるサービス 9a089bdf643883fdd68253c7e60e5e35.png
        引用元:Handbook

2.1.2 サポート

  • 自社のソフトウェア製品の導入先に対する技術サポート・製品の更新

2.1.3 サービス

  • デザインサービス
    • This Place社を買収して2017年4月から開始、顧客企業のブランディング戦略のコンサルティング、ウェブやモバイルアプリのデザインに関するコンサルティング、開発支援を提供するサービス
  • ネットサービス
    • スマートデバイス向け情報配信・共有サービス「Handbook」を中心とする、インターネットを介してソフトウェアを提供
  • 役務サービス(教育サービス)
    • ライセンス販売促進のために、パートナー企業やユーザ企業に製品トレーニングを提供
  • サブスクリプションサービス
    • 「ASTERIA WARP」をクラウド対応して月額使用料型で提供

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引用元:2018年3月期第3四半期決算説明会資料

2.2 ブロックチェーン事業

上記の基幹事業に加え、最近ではブロックチェーン事業への参入が注目されています。
以下では、ブロックチェーン事業への参入の流れや取り組みについてまとめていきます。

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引用元:第19回 定時株主総会 決議事項【実証実験】

2017年8月から提供を開始する本業務適用コンサルティングサービスの価格は、300万円〜で内容によって見積もりとなります。

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この追加出資により、インフォテリアはテックビューロの株式の一部を追加取得し、同社製品やサービスとのシナジー効果をより一層高めインフォテリアのブロックチェーン関係事業を加速します。
具体的には、EAI/ESB製品の国内市場において11年連続市場シェアNo.1※4を獲得しているインフォテリアの「ASTERIA」(アステリア)や、エッジコンピューティング用ミドルウェア「Gravio」(グラヴィオ)などによるブロックチェーンの対応を進めるほか、2017年4月に新設した「ブロックチェーン事業推進室」を中心にブロックチェーンを基盤としたサービスの開発を共同で推進します。

今回の実証実験では、Nayutaが開発した、ブロックチェーンに対応した充電用コンセントと、インフォテリアが開発したスマートフォンアプリをインターネットやBluetoothでつなぎ、「いつ」「誰が」充電したのかというEV等の充電履歴をブロックチェーンに記録して、セキュリティを担保しながら管理する技術の検証を実施します。
この技術により、少ない導入費用で信頼性の高い充電管理システムを運用することが可能になり、例えば集合住宅のオーナーにEV等の充電設備を安価に導入していただけるなど、新たなサービスに繋がる可能性があると考えております。

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引用元:充電に係る課題と提案

4. 事業戦略

対処すべき課題を参考に、インフォテリアの事業戦略を見ていきます。

マルチプロダクト/サービス化
  • 売上収益の約8割が「ASTERIA」製品に依存
  • 特定の製品の影響を受けにくい事業ポートフォリオを組み立て
新市場の開拓
  • クラウド連携市場

    企業で進展している情報システムのクラウド化において、データ連携基盤は新たにクラウド連携の基盤としての用途も大きな成長が期待されています。「ASTERIA」シリーズは、クラウドの課金形態に即した月額課金モデル「サブスクリプション」の販売を開始し、中期的に売上収益の安定化に貢献できる製品に成長させてまいります。

  • フィンテック連携市場

    フィンテックの進展において、データ連携とブロックチェーンによる価値移転、自律的契約履行は中長期的に大きな市場に育つと見込まれています。このような市場において、「ASTERIA」シリーズだけでなく、新製品においてもブロックチェーンやフィンテック連携の機能やサービスを提供していくことが重要であり、各種アダプターや連携機能の研究開発を進めてまいります。

  • IoT連携市場

    IoTは、大きな市場拡大が見込まれています。企業におけるIoT活用のためには、機器連携、クラウド連携、システム連携が重要であり、これは当社の得意とする領域でもあるため、IoT連携における市場開拓を進めてまいります。当連結会計年度においては、2017年2月にIoTソフトウェア基盤事業の第1弾としてIoT機器の現場業務での活用を実現するモバイルクラウド基盤「Platio」の販売を開始いたしました。

  • ブロックチェーン技術の普及

    • さまざまな業種でブロックチェーンの適用を推進し、「ASTERIA」シリーズを拡販

ブロックチェーン技術は金融業界だけでなく、幅広い分野で応用できる技術と注目されております。このような新技術が幅広く活用されるためには、市場における新たな技術の普及促進、啓発活動が課題となります。

海外市場への展開

当社グループは、設立時より海外に通用するソフトウェアの開発と提供を目指しております。特に世界的にプラットフォーム(技術基盤や販売環境)が統一されているネットサービスにおいては、積極的に海外展開を行っています。当社グループのソフトウェアは、日本語、英語、中国語の3ヶ国語で開発しています。海外における当社のソフトウェア販売比率は、中期経営計画を大きく下回っており、多言語展開を含めた海外市場への取り組みが引き続き重要な課題であると認識しております。

まとめ

直近は大型の買収によって一気にグローバル展開と事業の多角化をすすめているインフォテリアですが、やはり主力事業の「ASTERIA」への依存からの脱却が今後の大きな焦点のひとつになりそうです。

ブロックチェーン領域では、2018年8月に「シンガポールのブロックチェーン企業「Zilliqa」との事業提携」のリリースを出していたりと、今後の事業展開が非常に楽しみですね。

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