AI投資情報プラットフォーム

【三菱商事】最終利益が前年同期比+73.5%!三菱商事の強みとは

三菱商事(8058)の分析を行いました。5大商社の一つと知られる三菱商事は、エネルギー、金属、地球環境・インフラ、新産業金融、機械、化学品、生活産業など私たちの生活の基盤となるような大きなビジネスを行なっています。それゆえに、海外との取引も多く、大きな事業が多いために地政学的リスクなどを受けやすいと言った特徴があります。近年は資源と非資源の事業のバランスを見直し、キャッシュフローを重視することでより安定した(リスクを回避した)経営を目指すと述べられています。また事業投資から事業経営という中期計画を掲げており、今後新規産業に参入する可能性も高く注目です。

2018年4月から6月期の決算が好調で話題となった総合商社ですが、今回はそのトップランナーである三菱商事のビジネスを見ていきたいと思います。

会社概要

銘柄コード: 8058
HP: https://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/index.html
業種: 卸売業
代表者名: 垣内 威彦
設立年度: 1950年4月1日
時価総額: 4兆5126億円円
市場: 東証1部,名証1部
従業員数(単独): 6,233人
従業員数(連結): 77,164人
特色: 総合商社大手。三菱グループ中核。原料炭等の資源筆頭に機械、食品、化学品等の事業基盤厚い

財務

さっそく2018年4月から6月期の財務をみてみると、営業利益は前年同期比+62%の2706億円。連結純利益は前年同期比+73.5%の2043億円となり、過去最高を記録しています。液化天然ガス(LNG)や鉄鋼原料の石炭の販売など、いわゆる資源部門の業績が好調だったことが主な要因のようです。

好調な決算の一方で、資源分野においては米中間での貿易戦争(追加関税のかけあい)による影響が懸念されており、今後の動向は注視していく必要がありそうです。

競合・業界のトレンド

ここで、業界全体としてのトレンドについて、引用をもとに少し触れておきたいとおもいます。

商社業界全体のトレンドとして、非資源分野への投資によるポートフォリオの最適化が挙げられます。2008年ごろからの鉄鉱石や石炭などの資源価格下落は、資源ビジネスから利益を上げる商社に打撃となり、2016年3月期決算では、三菱商事、三井物産ともに純利益において赤字を計上しました。資源分野の業績不振により、各社は成長の機会を非資源分野に見出しています。
引用元: 【業界分析:商社】5大総合商社業界分析(三菱商事・三井物産・伊藤忠商事・住友商事・丸紅)メイン事業や社風を徹底比較!!

例として、2012年には伊藤忠商事が米食品大手「ドール」のアジア青果物事業および全世界の食品加工事業を買収(※1)、2016年には、三菱商事がノルウェーのサケ養殖会社であるセルマックを買収しました(※2)。また、「資源商社」とも言われる三井物産も、ヘルスケアや農業、海外発電などに経営資源を集中する考えを2016年の株主総会にて示しています(※3)。
引用元: 【業界分析:商社】5大総合商社業界分析(三菱商事・三井物産・伊藤忠商事・住友商事・丸紅)メイン事業や社風を徹底比較!!

f6ebce1073621f5c354253d643e4e528.png

引用元: 【業界分析:商社】5大総合商社業界分析(三菱商事・三井物産・伊藤忠商事・住友商事・丸紅)メイン事業や社風を徹底比較!!

事業分析

  • エネルギー事業グループ
  • 金属グループ
  • 地球環境・インフラ事業グループ
  • 新産業金融事業グループ
  • 機械グループ
  • 化学品グループ
  • 生活産業グループ

エネルギー事業グループ

エネルギー事業グループは、天然ガス、石油の生産・開発事業・液化天然ガス事業、原油、石油製品、炭素製品・LPGなどの販売取引、新規エネルギー事業の企画開発などを行なっています。

40d5ed7c7c0045e37e7e2b1c4370a19a.png

引用元: 決算説明資料

2014年末からの原油価格暴落によって、2015年度は減損損失(資源価格の下落など)を出していましたが、2016年度には回復しています。
持分法損益では、重要指標として、エネルギー価格変動,為替変動,そして固定資産の推移が挙げられます。

売上総利益は、377億円です。

金属グループ

金属グループは、薄板・厚板などの鉄鋼製品、石炭・鉄鉱石などの鉄鋼原料、銅・アルミなどの非鉄金属原料・製品の分野において、販売取引、事業開発、投資などを行なっています。

964c4d6e421976e887069b34e726f980.png

引用元: 決算説明資料

金属セグメントでは、豪州石炭事業における生産コストの改善および市況上昇によって、売上総利益が大幅増加しています
そもそも石炭の価格は減少傾向にあり、コスト削減が必須要件です。
また長雨や労働者のストライキなど、地政学的リスクも大きく、逆にそれらをコントロールすることができればコストが大幅に改善されるということになります。

最大の原因は、ほかでもなくオーストラリアの石炭事業における「不運」の連続にある。昨年は豪州を襲った長雨で、売価の高い製鉄用の原料炭を中心に生産水準が低下した。長雨が去った後に訪れたのは、労働条件の改善を求める炭鉱労働者の断続的なストライキだ。 5月末解決のはずが...
引用元: 三菱商事の石炭事業は現在お荷物?BHPビリトン、石炭事業根底から見直し、

なお、三菱商事は発電用石炭権益を売却する方針を示しました。資源分野では鉄鋼用原料炭や銅などを中核分野と位置付け、それ以外の資産については売却などの資産整理を行なっています。

売上総利益は4148億円です。

地球環境・インフラ事業グループ

電力、水、交通や、その他産業基盤となる環境・インフラ分野における事業や取引を行っています。

0c0b1cd1db84a202cc31e9789b2ec345.png

引用元: 決算説明資料

売上総利益は380億円です。

新産業金融事業グループ

新産業金融事業は、企業投資、リース、不動産、物流などで投資運用を行なっています。

6e174c5c4dcbb25641cf087feb2ead44.png

引用元: 決算説明資料

売上総利益は602億円です。

参考:
三菱商事:息吹き返す豪石炭事業、コスト4割削減-市況高騰も追い風
三菱商:豪の発電用石炭権益売却へ、1000億円規模-グレンコアに

機械グループ

工作機械、農業機械、建設機械、鉱山機械、エレベーター、エスカレーター、船舶、宇宙航空関連機器、自動車などにおいて、販売、金融、物流、投資などを行なっています。

ab513304c2ad1c241f994bd848ee7c7d.png

引用元: 決算説明資料

売上総利益は1821億円です。自動車事業における取引利益の減少などで減少傾向にあります。

三菱自動車や、いすゞ自動車の展開をしています。
いすゞは、タイなどの東南アジアにおける展開が顕著です。

b05f6055b1f0541ab5872a35ccf6aea2.png

化学品グループ

原油、天然ガス、鉱物、植物、海洋資源などにより生産されるエチレン、メタノール、塩といった基礎原料から、プラスチック、電子材料、食品素材、肥料やい農薬などの幅広い化学品の分野において、販売取引、事業開発、投資などを行なっています。

60e72b9bc70d3ca1ff1bd787fae62ec6.png

決算説明資料

生活産業グループ

生活産業グループでは、食品、繊維、ヘルスケア、流通・小売などで、原料素材の調達から消費市場などの領域で、商品・サービスの提供、事業開発、投資などを行なっています。

e3ca6e1e88da97b67ab168d159f389a7.png

引用元: 決算説明資料

セグメント別収益

セグメント別の収益をみてみると、生活産業と金属部門が全体の利益の主軸となっているようです。

84c59817f096e6689859f1dd8054373e.png

投資内容

1562ded3f3086d8087736317f7549982.png

引用元: 決算説明資料

中期計画

52ba591460b500374ac3b38fdd38e2dc.png

引用元: 中期経営戦略2018

参考資料

関連記事

こちらの記事もおすすめ

Medium %e3%82%b9%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%88 2018 08 22 15.39.28

【メタップス(6172)】海外の売上比率が6割超え!ファイナンス事業が好調のメタップスの事業

メタップス(6172)の分析を行いました。代表取締役の佐藤さんは、「お金2.0」の著者としても有名であり、ブロックチェーン技術やトークンエコノミーにおいて第一線をいく人であります。実際にタイムバンクなど革新的な概念のサービスを展開しており、

Medium %e3%82%b9%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%88 2018 08 14 17.37.55

【セレス(3696)】Coin Checkの売却益などで営業利益は前年同期比+244%!セレスの決算まとめ

セレスはモバイルポイントサービスの提供を行なっている企業です。2018年2Q決算がコインチェックの売却益などで大幅増益をとげており、その内容をまとめてみました。仮想通貨事業への投資も積極的に行なっており、これまでの事業とのシナジーから今後も

Medium %e3%82%b9%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%88 2018 08 10 11.52.49

【インフォテリア(3853)】買収コストで減益も、当期利益は通期計画の60%の進捗!インフォテリアの事業戦略

インフォテリア(3853)の分析です。データ連携用ソフトウェア「ASTERIA」などを中心に企業向けのミドルウェアを提供しています。2015年からテックビューロと事業提携をしており、ブロックチェーン技術の実証実験やコンサルティングサービスを